熱力学データベース MALT Omega / Basic
CHD - 化学ポテンシャル図
gem - 多元系化学平衡計算
2003年より販売しておりましたMALTグループ開発によるMALT for Windowsは、さまざまな研究分野、産業分野でご利用いただいてきましたが、 2025年より大幅なアップグレード版(Omega)と改訂普及版(Basic)の2版をリリース・販売しております。
MALT Omegaは従来より収録化合物が飛躍的に増え、さらに水溶液種も含んでいます。--->収録化合物リスト(7890種)
化学ポテンシャル図作成プログラム(CHD)、多元系平衡計算プログラム(gem)はOmegaにもBasicにも共通で含まれており、水溶液にも対応しています。
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化学熱力学データの収録 エンタルピー変化 生成ギブズエネルギー変化 298.15度のエントロピー 比熱 相転移におけるエンタルピー変化 |
MALT の目的は
この目的を実現するために次のことができます。 MALTデータベースは多くの化合物、化学種のデータを格納しています。それでも、詳細な解析には十分とはいえません。このため、ユーザーがMALTデータベースに格納されているデータの信頼性、集積度を調べ、他の入手可能なデータと比較し、最後に当該化合物におけるベストな組み合わせを得ることが必要とされます。 この目的には、複数の化合物の熱力学関数の間での整合性を検討する良いツールが必要となります。この意味からしても、当該化合物の関与する平衡を吟味するために、先進的なソフトを利用することが推奨されます。 これは最も基本的な熱力学解析の一つです。非常に単純な操作ですが、材料科学、化学プロセス解析など多くの分野で極めて重要な操作となっています。 化合物の熱力学表は標準的な交換関数(熱容量、エントロピー、相対エンタルピー、ギブズエネルギー関数、生成エンタルピー変化、生成ギブズエネルギー変化を温度毎に表示します。 化学反応に伴う熱力学量変化を同じく温度毎に表示します。 gem あるいは CHD の計算結果を、抽出された化学反応式に対して詳細に再検討することによって、物理化学的観点より更に明瞭となります。 特に、酸化還元反応あるいは酸・塩基関係に関連した特性を化学反応の奥に認めることができます。このことによって、生起した現象あるいは観測された事実と物理化学的特徴との相関を導くこともできます。 MALTアプリケーションソフトの一つ、多元系化学平衡計算プログラムgemはギブズエネルギー最小化法に基礎をおいている。 温度、圧力、反応物の初期量を指定する、対応する平衡時の各化学種の量並びに化学ポテンシャル値が与えられる。この手法はとりわけ複数の化学反応が同時進行するような多元系では便利である。 圧力一定下でのギブズエネルギー最小化あるいは体積一定下でのヘルムホルツエネルギー最小化を一連の計算として行うことができる。 特に後者では、一定の化学ポテンシャル値で特徴付けられる条件下での系についての計算を行うことができる。例えば、空気中での平衡は、多くの工業的なプロセスで重要である。 酸素ポテンシャルの関数として与えられる平衡はまた、高温形燃料電池で重要である。 一連の計算では、反応物のモル数を前回の計算結果から決めることもできる。ガス流通下の反応で、ガス中に反応性の高い不純物を含んでいた場合の反応の時間変化なども計算することができる。 長い円筒形の反応器では、円筒内の物質の変化を、ある地点でその点での物質と反応し平衡に達したガスが、次の地点まで輸送されてその点での物質と反応し次の平衡に達するという仮定をおいて評価することができる。 材料科学や化学プロセスの現実的な状況に関する熱力学的解析には強力なツールとなっている。特定した条件下で唯一の回答を与えるので、結果は非常に理解しやすく他の考察に容易に適用できる。 従って、熱力学的考察にはソフトgem を使いこなすことができるのが重要となる。前述したように、このソフトから出力される膨大な結果から重要な化学反応式を抽出することも重要であろう。 該当する材料や化学プロセスで生起している現象を物理化学的に理解するのに役立つであろう。
(4) 化学ポテンシャル図構築による解析 詳細は「化学ポテンシャル図とは何か?」を参照してください。 化学ポテンシャル図はギブズ相律によって構築される。温度・圧力一定下での3元系では、三相共存状態は自由度はゼロとなるため、すべての元素ポテンシャルが一意的に決まり、その結果すべての化合物の化学ポテンシャルも一意的に決まる。 この状態が化学ポテンシャル図の一点に対応する。この平衡点から3本の2相共存線がでている。このような幾何学的特徴を2座標変数で示される化学ポテンシャル図上にプロットすると化学ポテンシャル図を構成することができる。 通常、これらの座標変数は環境がコントロールする性質(温度、圧力、log p(O2), log p(CO2)など)から選ばれる。ただし、更に一般的な変数を選ぶこともできる。これがいわゆる一般化された化学ポテンシャル図である。CHDは一般化された化学ポテンシャル図を多角形アルゴリズムを用いて構築する強力なツールです。更に、プロファイル図を構築することもでき、化学ポテンシャルで定められた線上に沿った気相化学種の分圧あるいは水溶液化学種の活量をプロットできます。 プールベ線図は最近のヴァージョンアップ作業と新たに用意されました。プールベ線図を描くためには、いくつかの特別な取り扱いをする必要あるので、CHDでは既定値の設定を広い範囲で行いました。 例えば、水溶液化学種の熱力学データの入手は298.15Kが最も充実しているので、初期温度設定は常に298.15Kとした。H2O(l)の活量は1に固定し、座標の変数は pH と E/V を既定値にした。 O-H-X-M 系のような多元系では、元素Mが元素XよりもNBS順で大きな値であれば、元素Mをターゲット元素として選定している。 <O,H,S,Fe><O,H,P,Fe>系では元素Feがターゲットに選ばれ、<O,H,Fe,Ti><O,H,Fe,Na>系では元素Feはターゲットとして選ばれない。
MALT関連ソフトであるgem と CHD でも同じMALT ダイレクト 機能を用いて、必要なデータをMALTシステムから受け取っています。 データの詳細 考慮する事項:
焦点を当てた化合物/性質
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